かなしみについてかんがえるとき

かなしみについてかんがえるとき


いまがそのとき　午前三時


むなしさについてかんがえるとき


いまがそのとき午前三時



午前二時じゃはやい　午前四時じゃおそい


ねないとあしたがつらい　午前三時



「眠るのは仕事だ」っておじいちゃんにおこられた


だからねむれないのはしごとができないのとおなじ


なんでそんなことばをうえつけたのさ　おじいちゃん


おかげでざいあくかんでいっぱいだよ



かなしくないもののことをかんがえよう


そうしてねむろう


むなしくないもののことをかんがえよう


そうしてねむろう



いつもそうおもうのだけど


どうにもかなしいのが　午前三時


どうにもむなしいのが　午前三時



ねむいのにねむくない　午前三時


おとうさんはもうでかけた　午前三時


ねむいのにねむくなれない　午前三時


のうみそをほじくりだしたい　午前三時


ころされかたをかんがえる　午前三時


はものにぜんしんつきさされるげんそうで


かなしばりをかけてねむろう

僕らがノイズでしかないとしても

僕らがノイズでしかないとしても

僕は君を好きだし

誰かが死んで悲しいし

猫に触れればやわらかで温かいし

自分が嫌いになったりするし

僕は君を好きだし

君に僕を好きでいてほしいとおもうし


きっと

悲しいことも乗り越えられるだろう

きっと

苛つく感情も飲み干せるだろう

きっと

大切なものを見つけるだろう


僕らはそうやってやっていくのがほんとうなんだ


僕が泣くとき

僕は世界のすべての悲しみを宿して

涙を流すのだ

僕の悲しみはみんなの悲しみの中で

濾過されて純粋になる



僕らがノイズでしかないとしても

僕は泣くのをやめようとは思わない